シャボン玉の幻想

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「‥‥‥ねぇ、ママ。ミカがひとりでお風呂入ってて、幽霊なんて出て来ないよネ?」 「そんなのいる訳無いでしょ?漫画や小説の見過ぎよ!‥‥‥今日は、ママ、御飯の準備で手が離せないのよ。そんなにひとりがイヤなら歌でも唄ったりなんかしたらどうかしら?それとも、お風呂場の鏡に向かって話し掛けたりだとか。」 ハッキリ言って、ワタシのママ、‥‥‥今となっても当時の母は楽天家な性格のままなのであった。 その日に限って、ワタシは、勇気を出して、一人きりのお風呂を味わっていた。ママに言われた通りに、ワタシは、お風呂場にある鏡に向かって話し掛けて見る。どうせ映って見えてるモノは、自分の顔貌を逆さまにした姿だけなのに‥‥‥。 ‥‥‥だけど、その日に限って! 鏡の中のワタシは、ワタシに向かってヒタヒタヒタと不気味な笑いを浮かべていた。
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