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どうして、ママからそんな言葉を聞かされたのかしら?‥‥‥ワタシは、思わず後味が悪くなって、もう一度、お風呂に入り直そうとするのだった。
排水口の辺りには、確かに、一匹の黒い色をした虫の亡骸が遺されていた。
ワタシは、その虫の亡骸を両手で掬って、玄関から庭へと出た。そのワタシの姿に気付いたのか、ママが後を追って来た。
「‥‥‥ちょっと、ミカ!服も着ないで、そんな姿でお外に出ちゃ、ダメでしょ?」
「やっぱり、可哀想だから、庭にお墓を作って埋めて上げようと思ったから!」
その時、ママは、何時ものママの顔になり、涙で潤んだ眼差しで呟いて見せた。
「一段と成長したわね、美嘉。」
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