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お館様よりお呼びなれば
儂がお館様に呼ばれたのはもう夕暮れ間近であった。
儂はお館様のお部屋まで行くのに考えておった。
何やら儂はやらかしたか?
あの気性の激しいお館様ならば儂を呼ぶにはそれ相当な事であろうかと!
身体中に冷りとした汗が吹き出しておる。
思えば"長島一向一揆における男衆も女子衆も、お館様の勘気に触れては数万が焼け殺しになっておったのは儂には身震いを知らしめたり。
お館様に刃向かう奴等には容赦なく殺すのがお館様である。
これまで外様は甚く邪険に扱われておるにはお館様は気心の知れた者にしか心内を明かさなんだ。
儂はお館様に仕えて早十年も経っている、はてさてお館様は儂のことを気心の知れた者と思っていなさるのか?
それにつけては何故お館様が儂を呼びだしたのか?
何か勘気に触れることがあったか屯と儂にはわからん?
敢えて言えば女郎買いかぁ!
・・まさか女郎買いで叱言もなかろうて。
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