渚、婚活宣言する

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テレビ画面を改めて見ると、若手実力派俳優とアイドルあがりの若手女優が、夕焼け沈む海辺でお互いを熱くみつめあっている。 『ユカ・・・もう離さない。』 『タケルくん・・・好き。』 そして抱擁、からのキス。 「きゃああああ!」 汐子と夏海が同時に黄色い声をあげ、渚は一歩身体を引いた。 「ママー。なんでこのふたり、チューしてるの?」 穂波が夏海の腕を揺さぶりながら聞くと、夏海がそれにゆっくりと答えた。 「それはね、二人がラブラブだからよ。」 「ラブラブ?愛し合ってるってこと?」 「そうよ。愛し合ってるの。」 「パパとママも愛し合ってるの?」 「もちろん。」 「じゃあチューする?」 「もちろん!」 幼い娘になにをカミングアウトしてるんだ! しかし穂波も穂波だ。愛し合うなんて言葉、どこで覚えてきたんだろう、と渚は穂波にいぶかしげな視線を投げた。
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