渚、チーズケーキに舌鼓を打つ

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「渚。ケーキ食べ終わったら僕の部屋で遊ぼうよ。ゲームでもしない?僕、沢山のゲームソフト持ってるんだ。渚はどんなゲームが好き?」 「そうね。格ゲーとか好きよ。学生の時は妹とよく対戦したの。最近は忙しくてあまりやってないけど。」 「格ゲー!いいね!やりたいやりたい!」 「うん。やろうやろう!」 するとすかさず湊が、威圧的な声で渚と奈央の会話に割り込んできた。 「奈央!宿題はやったのか!?家に帰ったらすぐに宿題を終わらせる約束だろ?こんなよく知りもしない年上の女と遊んでる暇があるなら、宿題をしろ!」 湊の言葉に奈央は不機嫌な顔で黙り込んだ。 さらに湊はその尖った声を渚に向けた。 「お前もお前だ。いくら奈央に呼ばれたからって普通家の中まで入ってくるか?」 渚は口に含んでいたチーズケーキを飲み込むと、平然と答えた。 「あら。私は奈央君の友達よ?友達の家に遊びに来てなにが悪いの?それによく知りもしないって・・・私あなたには職業、年齢、星座、血液型から好きなブランドまでお教えしましたけど?それとあなたのご自宅は赤坂にある高級マンションなんじゃありませんでしたっけ?ついさきほどそうご自慢されてましたよね?」 「もちろん赤坂のマンションにも住んでいる。仕事で帰れなかったとき用にな。それにそう言った方が女受けがいいんだよ。現にお前だって目を輝かせて聞いてただろうが。」 「それは私が不動産の仕事をしてるから、赤坂のマンションってどんな感じかなぁ?ってちょっと興味が湧いただけですけど?」 「渚。こんな奴の相手をする必要はないよ。さ、僕の部屋に行こう!」 奈央はチーズケーキを食べ終わるとスクッと立ち上がった。 「あっおい!こんな奴ってなんだ?俺はお前の叔父だぞ!」 「そういうことなので。チーズケーキ美味しかったわ。ご馳走様でした!」 渚はそう言い捨てて、奈央の背中を追った。
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