渚、俺様男と再会する

6/6

161人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
ビールから梅酒ロックへ飲み物を変えたタイミングで、湊は突然真面目な顔になった。 「そろそろ本題に入ってもいいか?」 「本題?そうか、忘れてた。あなた私になにか話があるんだったっけ?」 渚はほろ酔い気分な自分を引き締めた。 「実は・・・奈央のことなんだが。」 「奈央君・・・ね。元気してる?」 「お前が宿題を見てくれた次の日のテストは満点だった。そんなことは初めてだ。」 「ふーん。たまたまじゃない?あの子はやれば出来る子よ?」 「そうだ。奈央は地頭はいいんだ。実際興味のあることにはものすごい集中力と記憶力を発揮する。しかし学校の勉強となるとモチベーションが上がらないらしい。俺が勉学の大切さを辛抱強く説いても聞く耳を持たない。それになぜか俺は奈央に嫌われている。」 「まあ、そうでしょうね。あなた、性格悪いもん。」 「どこがだよ?」 「自覚がないって怖ろしいわぁ」 「俺は誰よりも奈央のことを考えているのに。」 渚はお酒の力もあり、思い切って踏み込んでみた。 「立ち入った質問するけど、いい?」 「答えられる範囲なら答えてやってもいい。」 「奈央君の家族構成はどうなっているの?あなたのことは叔父さんだと言っていたけれど。そして母親はいないようなことも。」
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加