渚、結婚の極意を教わる

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そんな渚に汐子は温かい目を向けながらも、からかうように言った。 「最近の渚は家事に積極的ね?花嫁修業?やっと渚もその気になってくれたのね。お母さん、嬉しいわあ。でもどういう心境の変化?」 「私だってもういい歳なんだし、料理のひとつやふたつ作れなきゃ恥ずかしいと思うようになったの。ただそれだけ。」 「ふーん。そうなの。誰か好きな人でも出来たのかと思った。」 「・・・そんな人いないよ。」 そう言いつつも、なぜか渚の頭に湊の顔が浮かんできた。 だから違うって! あいつのことなんて好きでもなんでもない。 大体湊とは結婚観が違うんだから。 私は結婚しても働き続けたい、だけど湊は結婚したら妻には仕事を辞めて専業主婦になることを望んでいる。 そんな価値観の違う男と恋愛関係になるなんてありえない。 なのに・・・なんで湊を想うとこんなに胸が切なくなるの?
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