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それはいいが私にばかり食べさせて彼は飲んでいるだけだがいいんだろうか。
「事務ですか……?」
「そう。
働いてる会社の事務のおばちゃんが辞めて、新しい人を探してるんだ」
「え……」
なんだろう、この幸運は。
私の話を聞いてくれて次の仕事まで斡旋してくれ、しかもイケメンなんて人がいるなんて、まだまだこの世も捨てたもんじゃないな。
「いや、無理にとはいわない。
給料も今までの会社より悪いかもしれないし、兎本さんの都合もあるだろうし」
渡守さんはさらにいろいろ気遣ってくれるが、いい人すぎない?
この焼き肉も奢りだしさ。
もしかして私、なんか騙されている……?
そんな不安が急に持ち上がってきた。
「えっ、と」
ちょっとハイテンションになっていたけれど、これは一旦、冷静になるべきでは……?
無意識に視線が、置いたバッグへと向かう。
「……どうしてそこまで、見ず知らずの私にしてくれるんですか?」
箸を置いて姿勢を正し、真っ直ぐに彼を見る。
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