ノフィンの考え

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その巫女の前にノフィンは現れる。 新海林キリナ。 かつて亡くした二人の姉の魂を鎮めた。 キリナは今無事にある男と交際している。 「お疲れキリナ」 「ありがとうロベルト」 その男がキリナに茶を差し出しキリナがそれを受け取る。 それをたまたま居合わせたノフィン。 「アレン君?」とノフィンが目を大きくさせて聞く。 「いや僕はロベルト・フェリックスですよ。貴方はノフィンさんですね?」 とロベルトは言う。 「そうか違ってたねすっかりアレンがチイチイから女をすり替えたと思っていたよ」 「知り合い?」 「「違う違う」」 キリナが聞くと二人は否定。 「話が脱線しそうなので早速話させてくれるかい?実は部下が悩んでいるんだ」 「まあ、私で良かったら話を聞かせてください」 キリナは言う。 ーーーノフィンは客室に招かれる。 仏像が机を囲んでいる二人を睨んでいる。 厳かな光景だなかなか。 ロベルトもそこに座っている。 「実は僕の部下が猫を轢いてしまってね。彼はその事をずっと悔やんでいるんだ。僕は猫は生きているに違いないと説得してみたが彼はずっと悩んでいてね」 「まあ可哀想に」とキリナ。 「猫を轢いてしまったのか?確かに酷い事だ」 ロベは言う。 「けれどわざとじゃないんでしょ?」 「いや正確には猫を前の車が轢いてしまっていて苦しんでたのにイーダ君はクラクションを後ろの車から鳴らされビックリして前進させてしまったらしいんだ」 「そうなのね…」 キリナは神妙な面持ちで声を落とす。
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