イーダの罪

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それはそれはノーナだった。 「あれは猫ちゃんが悪いだもん。車もよく見てないで渡ってたんでしょ?轢かれて当然じゃん」 ノーナの一言にイーダは救われた気がした。 (ノーナちゃん…いつも捻くれててムスッとしてて時々ゾッとなる事もあるけど今ばかりは天使に見えるよ…) そう、イーダの目には今度ばかりは今のノーナは天使に見えた。 言ってる事は大体いつもの事で正しいとはあまり思えない事だし天使に見えるのもおかしな話だが今のイーダにはノーナの言葉は救いとなっていた。 「なんて事言うですかノーナちゃん!猫ちゃんが轢かれててイーダ先輩は猫ちゃんを見捨てたのですよぉ!」 シュカシュカは怒る。 「悲しんだってしょうがないよそれが猫ちゃんの運命なんだもん」 ノーナは逆に言い返した。 「まあまあ言い争いせんと仲良くしいや」 チイチイが手をパンパンさせながら皆を宥める。 そしてチイチイは言う。 「頼むからイーダの事は許してやりや。イーダはこの通り臆病な性格や。後ろの車からクラクション鳴らされたらそりゃ素通りしてしまうもんやろ」 「「しかししかし……」」 隊員達が言おうとするとチイチイはギッと隊員達を睨む。 「良いからおとなしく仕事に戻れ。これ以上楯突いたら承知せえへんで」 チイチイは声を低めて凄んだ。 「…………すみませんチイチイママ……」 隊員達はおとなしくなった。 「なんだい穏やかじゃないね」 そんな時長い銀髪を携えたキラキラ系美男子がやって来た。 「執事長……」 ノフィンだ。ノフィンは薔薇の花を手に持って「ふふん」と不敵な笑みを浮かべていた。
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