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帰り道、延岡は呆然としながら街を歩いていた。
悔しさ、悲しさ、情けなさ、怒り……頭の中では次から次へと様々な感情が浮かび上がってきた。
心身共に疲れ切ってしまい、足取りは重かった。
そして、とうとう歩くのをやめ、その場に立ち止まってしまった。
それまで下を向いていて歩いていた延岡がふと顔を上げると、そこにある一軒のバーの看板に目がとまった。
「ラストプログレス」
これまで陸上競技ひと筋だった延岡は、酒など口にしたことはほとんどなかった。
しかし、心身共にボロボロで心が折れそうになり自棄になっていた延岡は、吸い寄せられるように目の前にあるバー「ラストプログレス」の中に入っていった……。
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