予期せぬ訪問者

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「えっと…これ本当にあたし達だけで?」 そーよ?大丈夫だって!あたしが見本見せてあげるから! 人によって好みがあるんだけど、真ん中を凹ませて… コンコン…カパッ はい完成よ?あとは好みで刻みネギとか刻み海苔とか振りかけて、これまたお醤油を回し入れる… って、ちょっと待て? 何で二人とも固まってる? 「あの…どうやって…」 「割ったら…」 そこからかい!!! 因みにあたしが選んだメニューは、卵かけご飯なんだけど… まさか卵を割るトコロからとは… そうか、普段のご飯の時は誰かしらが割った生卵を個々のお鉢に入れてるもんな… いい?お茶碗のフチでも卓袱台のカドでも良いから、こう軽くコンコンってすればヒビが入るから…割れ目に指を当ててご飯の上に持って行って…そうそう、良い感じ…で割れ目を左右に開く… 「「う、上手く割れてくれません!!わ、割れたけど殻がいっぱい掛かっちゃいました!!し、秋さん、どうしましょう…」」 …仲が良いわね、二人とも… まさか全く同時に同じ失敗するなんて…ちょっと貸してみ?お姉さんが殻取ってあげるから… 我ながら甘いなと思いながら、二つのお茶碗から卵の殻をさっさと取り除き…二人に返す 「「秋さんすごい!!」」 …その尊敬の眼差しで見るのはやめなさい…恥ずかしいから… まあ悪い気はしないけど まあ、二人ともが初めて生卵を自分で割れたって言うのは…「伸びる」要素だろうと、あたしは無理矢理に自分を納得させた
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