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予期せぬ訪問者
「「あの…秋さん?」」
お昼を食べ終え、仕事場にしている奥の院に引っ込んだあたしに声を掛けてくれたのは、優花ちゃんと美優ちゃん
…そんな怖怖しなくても…〆切は暫く来ないんだからさ…
で、どうした、二人揃って?あ、ネコなら譲らないかんね?
「いえ、それもあるんですが…その…」
をい、何だ、このモジモジしている可愛い生き物達は!
思わずギュッとしたくなるだろうが!
しかしながら…二人揃ってあたしを訪ねて来るなんて…何の用事だろ…ん?ネコは譲らないって、今美優ちゃん言ったよな?そんなのいくら可愛い妹達でも許すわけなかろう!!!
「「…えてほしいんです…」」
は?
何がほしいって?何度でも言うが、ネコはあげないかんな!
あ、でも最初の方がよく聞こえなかったんだけど…この秋ちゃんにナニをどうしてほしいの?
「「あ、あたし達に料理を教えてほしいんです!!!!」」
…はあ…
差し出された「○でもつくれる料理」の本…
さては冴香ちゃんのスパルタ教育から逃げて来たな?
って言うか、これなら二人にだって簡単に出来るでしょ?
「それが…その…」
優花ちゃんもまだモジモジしている
どうやら先だってオリヴィアめが持って来たネコ用見合い資料に、冴香ちゃんもあたしも断固拒否したが、先方のお嬢様方が料理の修行をしていると書いてあったからな~それでか…
あ、冴香ちゃんだって最初は冷食も上手くチン出来なかったって言ってたから、別に焦らなくても良いんじゃないのかな?
「で、でも得意料理がカップラーメンから脱出したいんです…」
は?
今日何度目かの「は?」を発してしまった
…うん、それは確かにまずい!
しかし大体ネコの馬鹿が料理上手だから、ここの皆がこんな焦るんじゃ?…ハルちゃんとシイちゃんは除く…二人の料理はあたし達よりハイレベルだ
うーん…何にしたものか…
二人から料理本を受け取りページを捲っていく
中にはこれ初心者向きじゃねーだろ、とツッコミを入れたいメニューがある
ん、これならこの子達でも大丈夫だろ…
教えてあげるべきメニューを決め、二人を居間へ誘う
今日の午後は冴香ちゃんとネコが買い出しに出ているので、空いているのだ
んじゃ行こっか!ついてらっしゃい!
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