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ラスボスバトルの方法!
ついに決戦の時が来た。
玉座に座れるのは、この世界を虐げる魔王。牛の角のような重苦しい兜を被り、金の甲冑と赤いマントを身に纏った巨漢は、僕の姿を見てにやりと笑ったのだった。
「ふん、懲りずにまた現れたか」
魔王はゆっくりと立ち上がり、にやりと笑った。
「既に何度我に倒されたと思っている、勇者よ。貴様では我には絶対に勝てない。まだそれがわからないのか?」
「ほざけ、魔王!」
僕は剣を構え、言い放った。
「僕はこの世界を救うため、女神によって異世界から呼び出された勇者。この世界の優しい人々を虐げるお前を、断じて許すことなどできない。どれほど傷つき、倒れても、僕はけして諦めない。必ずお前を倒し、世界を救ってみせる!」
そう。
確かに僕は何度もこの魔王に辛酸を舐めさせられている。この男の強さは僕が一番身に染みてわかっているつもりだ。次もまたボロ雑巾のように打ち負かされるだけかもしれない。そうはわかっていても、ここで尻尾を巻いて逃げるなんて選択肢はないのだ。
必ず、こいつを倒す。
何度負けても折れずに立ち上がる、それが僕の勇者としてのプライドなのだから。
「威勢が良いことだ」
魔王が大きな体を揺らして笑い、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
「いいだろう、見せてみろ。貴様の覚悟とやらを!」
「ああ!いくぞ、魔王!」
今度こそ。
この世界に、勝利の夜明けを齎してみせよう!
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