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王城にある中で、最も広い会議室。
円卓上に並んだ机と椅子。そこに腰掛けているのは、神妙な面持ちの大臣たち。
七割は年配の人間。二割と少しが中年。若者もいるが、その数はとにかく少ない。
そして、ここにいる人間たちの中で最も若いのが女王であるリーナだった。
「で、あるからして。女王陛下には、一刻も早く王配を迎え、世継ぎを設けてもらわねばなりませんな」
大臣の一人がそう言うと、ほかの大臣たちも口々に賛同の声を上げる。
それはここ三ヶ月。ずっと、一番の議題として持ち上がっているものだった。
相変わらずの内容に、リーナはあくびが漏れそうになる。でも、それをぐっとこらえて真剣な面持ちを作り上げる。
きちんと聞いていますよと。そういう風貌を装った。が、内心では飽き飽きしている。
(全く、これ以上にやるべき議題はごまんとあるでしょうに)
リーナが王位を継いで半年。
先代の国王夫妻と当時の王太子が亡くなって混乱に陥っていた王国は、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。
リーナは腹心たちと共に、民たちの不安を取り除き、信頼を得るために奔走した。
その結果、ある程度の信頼と支持を得ることが出来ている。もちろん、今後なにかがあれば支持は急落するだろうし、何処で民たちの反感を買うかわからない。
なので、リーナは民たちのために動きたかった。……しかし、大臣たちの会議の議題はもっぱら『王配と世継ぎ』である。
全く、嫌になる。
「女王陛下は、どう思われますかな?」
最年長の大臣が、あごひげを撫でてそう問いかけてくる。
彼はリーナのことを孫のように可愛がってくれており、リーナもそれなりに信頼している。あと、純粋に自らの身内を売り込んでこないことに好感を抱いていた。
大臣たちの視線が集まり、リーナは席を立つ。背筋を伸ばして、大臣たちの顔を見渡した。
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