第5話 集会。

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第5話 集会。

 根っ子仲間の集会が始まった。  俺を併せて全部で5人か。  脳内に急に会議室が出来て、そこに根っ子仲間のアバターみたいな感じで集まっている。  同族意識スキルってすげぇ。 「ま、『会議室』は僕の同族意識スキル(Lv.10)のおかげなんですけどねー。根男さんは参加してるだけですよ、あしからず」このコミュ力高そうだがイケ好かない高校生男子が根呂(ネロ)。 「おま、あんまし偉そうにしたら、ブッとばすからなってアタイゆったよなー?」姉御的な、でも年齢は根呂とそんな変わらなさそうなヤンキー女子が根好(ネス)。 「ケンカはイヤです……」アンニュイな雰囲気を醸し出している不登校女児(小学生? 中学生?)が根夢(ネム)。 「ハイハイ、根呂くん、偉いな偉いな、よしよしー」俺をここに連れてきた根子がまとめ役って感じだな。根呂と根好に同じく女子高生、JKって感じだ。  皆、前世の姿を取ってるんだろうか。  全員若くして亡くなったのかな。  それとも前世で1番輝いていた時の姿とか?  理由は聞けそうにもない。  なんとなくだけど、たぶん俺って前世でコミュ障だったっぽいな……  そして、俺はというと……えっ、ハニワ?  俺だけ物なのかよー。  確かにハニワならコミュ障確定だわ。 「根男、ぷぷぷ、1人だけハニワって……」  根子め、笑いやがって。  お前はコッチ側の人間だぞ。  俺と同じ名前がクソダサの。  俺と根子以外の3人の名前が、結構格好いい件。  何だよネロ、ネス、ネムって。  ……あっ、俺もこれからはネオでいけるか?  NEOでもいけるな。  根子は……駄目だな。  がんばっても「猫」。  ペットだ。  え、お前、ペット枠なのか。  おー、よしよし。  ハニワ呼びした恨みは深いぞ。 「ネオ、何かアタシに対して、とっても失礼なこと考えてない?」  いーや。  考えてないでちゅよ猫ちゃんさん。  で、何のために集まったのかな? 「簡潔に説明すると、この5人がこの先協力しあう必要があるってことなのよ」  ここに集まっている5人が、付近の根っ子支部のトップ5らしい。 「穴掘りスキルに関しては、ネオ、お前がトップオブトップ、ダントツの1位なんだ」とネス。  えっ、そうなの? 「根っ子チーム全体でもダントツにトップトップのネオと意思疎通出来ないから、全根っ子が困っていたんだよ」 「草。ハニワでさらに草」とネム。  ネムに同じコミュ障みを感じて、なんか癒やされるな。 「全体会議に参加できるのは、僕の同族意識スキル(Lv.10)のおかげなんですけどねー」  ハイハイ、ネロはエロいエロい。 「ネオ、君、今発音おかしくなかった!?」  ま、それは置いといて。  今、決めるべきはなんだ? 「ネオ。アタイ達のチームに、最初に掘り進む先を選ぶ権利があるんだ」 「そゆこと。ネオ、理解できた?」  ああ。  なるほどな。 「なら、アタシたちネオチームは何処に向かって掘り進む?」  それは、俺が進む先とイコールならば、実はもう決めてある。  この集会がある前からずっと、何となく目指していた。  それは、  マントル。
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