第六章 憧れの仮装パーティ

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第二十一話 ウェルカム事件  待ち合わせ場所に現れたキラアとユーデは、クオリティの高い仮装をしていた。普段見るより随分とかっこよくなっている。キラアは何の仮装かわからないけれど。 「すご〜い! ユーデ魔王様だ!」 「そ〜。背高いから似合うって言われて」  ユーデは魔王の仮装を選んだらしい。魔王といえば天界では最も憎き存在として神から伝えられている。だがこれは子供の仮装だ。文句なしにかっこいい。  彼はありえないほど背が高いので黒いマントがよく似合う。写真はいつも顔が見切れるし、長時間顔を見て話すとちょっと首が痛くなる。その長身がやっと活かされた。 「キラアは……?」 「ふふん、ボクはねー……むぐっ!」  そこまでキラアが言ったところでユーデが彼の口を塞いだ。 「当ててみて」 「えー? 何だろう」  キラアは髪をオールバックにまとめて、青色のスーツを身に纏っていた。私とペタは分からずに首を傾げている。 「え〜、ワタシもわからない」 「まあ、そっか」  オレも最初わからなかったし、とユーデは言う。みんながわからないと察して、キラアはもう一度口を開いた。 「えっとね、ボクの仮装はーー」 「こら、お前達。さっさと入れ」  入り口からラッグ先生の声が聞こえる。周りを見るともうほとんどの学生が会場に入っているようだった。話が途切れたまま、私たちは会場に入り、ドリンクと食事に胸を躍らせた。キラアとユーデはクラスの男子に連れ去られたので、ペタと食べることにする。 「ひろーい……!」  会場はお城のような作りで、地下は二階、地上は四階もあるらしい。下界にしてはかなり大きな建物だ。まあ、天界の神殿には負けますけれどね。  何故か心の中で張り合いながら、真っ黒で美味しそうな匂いのする料理達を口に運んでいった。最近は匂いで好みのものを見つけられるまで成長している。 「見て! 天使の集団だ……!」  ペタが指差した先に天使の仮装をした生徒達が固まっている。  天使の仮装が意外と多いと言う情報は事前に仕入れていた。私にとってはうまく紛れ込みやすく、好都合だ。  ただし一番上手いのは私ですけどね。何せ本物ですから。 「でもリアが一番ね」 「知ってる。ペタ大好き。ペタも可愛すぎだよ」 「あはは! 自己肯定感激高いのも最高」  しばらく飲み食いするうちに追加の飲み物が欲しくなり、浮かれながらドリンクを取りに行く。 「あ」 「あ!」  ウェイターさんのドリンクをキラアも同時に受け取った。 「話終わったから合流しよ!」 「うん、行こうか」  ペタの方を見ると、ユーデがすでに合流しているようだった。このまま四人で料理を食べようと思った時ーー。 「くらぇ〜。異国の呪いの刃物じゃ〜あ」  不穏な言葉と共に、事件は起こってしまった。
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