青春回路うるせぇ。

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 其れは射撃と呼ぶには、余りにも異様な態勢を成していた!  だらりと床に接する上半身!その両腕は左右に開かれ一分の緊張もなく延びている!  銃身を支えるのは!意外!右足!そのふくらはぎは中央が落ち窪み、銃身にジャストフィット!引き鉄に掛けたるは左足の中指!他の指よりも抜きん出て長い!一体如何にして撃鉄を下ろしたものか!銃床は尻で挾まれ、まるでライフルと一体化しているようだ!  その傍らにもうひとつの陰!こちらはまるでひとつの山のように身を縮め、手持ちのスコープで標的を覗き見ている!片膝を立て座るその右ふくらはぎはやはり陥没していた! 「ぼちぼちだ…」  スコープを覗いたまま、相棒に声を掛けたその顔は銃を構えた男と同じもの!  三身一体!誰が呼んだか銃人渡辺兄弟!ヤネ!マコ!  双子の感覚共有から繰り出される射撃は一発必中!この不可思議な態勢は後方の警戒と筋肉の弛緩のため! 「ふむ、撃つか?」  周囲への警戒は怠らずとも身体は休めていたのだろう!涎を拭いつつそういった兄を!弟は「まだだ」と制止する! 「まさに。のタイミングでなければ効果が下がる。何より美しくない」  依頼したのはなんと日本政府!過去にも政治犯や新興宗教の教祖など、公には裁きにくい何件もの暗殺を熟してきた! 「ふん、岡本太郎がそんなに大事か」 「それは俺たちの考えることじゃない。銃が鈍るぞ」  二人には当然秘匿されているが!『太陽の塔』の地下には対地球外生命体用に開発された決戦兵器が隠されている!  起動の合図は、内部に聳える『生命の樹』の頂きに据えられた人類の模型!その両目を何かで覆い『殺すな』と言う事!  そう……ワンチャンあるのだ! 「お……うん、よし」 「シュート」  事務的にキュー!淡々だトリガー! 「っ?」 「……なんだ?」  しかし!標的は!未だ生存している!  そして銃口から射出されたのは!  旗!旗である! 「………か…」 「か?」  聞き返したヤネに答えず!身を震わせるマコ! 「カブトムシいいい!!!!」  旗は『弾薬代として。オブオオアオコメツキにて』と書かれた領収書であった!  田中ネムノリの号令とともに!『カチクナイナイ』各支部からテロリスト達が放たれた!
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