ninemillion rainydays

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 雨粒は何粒注ぐのだろうか。  仮に900万粒ずつが、900万日降り続く。僕の人生そんなところだ。  冬の雪も、春の晴れも、夏の嵐も、秋の雲も、僕には見えない。 いや、見えてはいるけれど、知らない。ただしとしと降り続く雨。梅雨生まれの僕の、嫌いな言葉だけれど「宿命」か。  ひと粒、きみの涙。    ふた粒、きみの汗。  み粒、きみのしょんべん。  よ粒、誰かの涙。  いつ粒、誰かの汗。  む粒、だれかのしょんべん。  以下同文  そうして漸くと、  はっぴゃくきゅうじゅうきゅうまんきゅうせんきゅうひゃくきゅうじゅうや粒、僕の涙。  はっぴゃくきゅうじゅうきゅうまんきゅうせんきゅうひゃくきゅうじゅうきゅう粒、僕の汗。  きゅうひゃくまん粒、僕の  薄汚れた、血。  くさい精液。  いっそゲリラって、僕だけにバケツをひっくり返して、脂ぎったその肌に浸透してふやけさして、ずるずる。  体毛ごと、ずるり剝いてはくれないか。  こんなにも僕が苦しいのならば、みんなはもっと苦しくて、僕は見苦しい筈だ。だから、溶けたい。  なかなか溶かしてくれないんだよ。  なかなか消してくれないんだよ。  きっと原爆に当たったみたいに、影だけでも残っちゃう。  キレイさっばり流されたいから、僕は傘を差さない。  ずぶ濡れの服を着替えもせず、カビ生やして、なんでかな?  まだ生きてる。
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