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「何故毅渓を助けた?」
「見ていられなかったのです。あれ程の幼い子が……」
「お前が四つの時も同じ事をしていただろう」
「……」
月霜は目を側めた。
自分が四つの時に同じ事をしていたからこそ、その辛さが身に染みて分かる。
だからこそ、毅渓に同じ思いをして欲しくないという一心で助けた。
「自分の姿に重ねたのか」
「──はい」
「だからお前はまだ甘いのだ。情に流されるな」
煥峯の視線はより険しくなった。
月霜は苦い表情をする。
甘いと言われる理由は、月霜には良く分かっていた。
「任務では、絶対に情に流されません」
煥峯は月霜から書物に視線を移しながら、だと良いがなと、ため息混じりに呟いた。
師匠からして、自分はまだ未熟なのだと、月霜は痛感した。
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