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僕達の父さんが作るチーズはすごいんだ!
ピザに乗せて焼くともうサイコーさ!!
ぐんぐん伸びて、追いつけなくなっちゃう!
どれぐらい伸びるかって? そうだね、クラスの全員が伸ばしたチーズで長縄跳びできるくらい!
何言ってるの? お兄ちゃん! この前タワーマンションが火事になった時、上の方の階の人が火事の火でパパのチーズ焼いて、地上まで垂れたチーズを伝って脱出した事言わないと!
それぐらい、パパのチーズは伸びるんだよ!! すごいでしょう!!
そしてとうとう、科学者の人が父さんのチーズがどこまで伸びるか確かめようって来た。
どこまで伸びたか聞きたい?
うふふっ……東京タワーぐらいだと思ってる?
それとも、スカイツリーぐらい?
全然それ以上だよ!
なんと、軌道エレベーターの端っこまで行って、でもまだ伸びたんだ!
地球を七周半して、それでもまだまだ伸びた!
科学者の人たちは呆れたように、これ以上の検証は無理ですって言って帰っちゃった。
だから私たちでもっと伸びることを確かめようって、チーズを伸ばしたの。
チーズは伸びて、どんどん伸びて、とうとう月に到着したよ!!
そして小学校のみんなで、チーズを伝って月までバス遠足だ!!
勿論、遠足のお弁当はパパのチーズが乗ったピザ!!
でも……。
地球がよく見える静かの海で、みんなでピザを食べていると急に先生たちが騒ぎ出した。
大変だ! あの小惑星地球に向かってる!!
本当だ! 間違いない! 衝突コースだ!!
先生たちはオロオロしている。僕たちも怖くなっちゃった。
地球にはパパもママもおじいちゃんたちも、牛たちもいるのに!! 隕石がぶつかったら……!
でもその時、僕たちは父さんのピザを持ってたんだ! そうだ! これだよ!! これこれ!
クラスのみんなも気づいたみたい! 私たちはピザを持つとそれぞれが衛星軌道上にあるたくさんの人工衛星にジャンプした!
クラスのみんなが立つ人工衛星の間に、伸びたチーズが蜘蛛の巣みたいに張り巡らされている。
さあ来なさい! 隕石!!
ズズンッッッッ!!
狙い通り!! 隕石は僕たちの張り巡らしたチーズのど真ん中に飛び込んできた!!
すごい重さがかかるけど、私たちは頑張った。そして……。
『セーの!!』
掛け声と同時に僕たちはチーズをピンと張った!!
ビュンッ!!
伸びたチーズは、パチンコのゴムみたいに隕石を弾き飛ばしたの!!
小惑星は、キランと光ってどこか遠くに飛んでいったんだ!!
……。
地球に帰って、僕たちはすっごく褒められた。
私たちの学校にいっぱいTVが来て、クラスの全員ヒーローとしてインタビューされるし、とっても偉い人たちから表彰状までもらっちゃった。
でも。
いやぁ、うちの双子はすごいなぁ。
そうね! いっつもイタズラばかりだと思ってたら、地球を救っちゃうなんて♪
パパとママにそう褒められたのが、一番嬉しかったの。
さあ! 夕飯はなんにする?
なんでも好きなもの言っていいぞ!
そして、こう言えるのが。
『勿論! のび〜るチーズが乗ったピザ!!』
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