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あたりは真っ暗だった。
空には雲一つ無いのだが、なぜか月が見えず、無数に輝く星々だけが頼りだった。
大地には草木が見当たらない。
暗いからだろうか?
普段は明るい時間にしか出歩かないのだが、その日は昼間と同じように自転車をこいでいた。
どこへ行くのかもわからず、目的もなくこいでいた。
今、何時だろう?
しばらくすると、街の灯りが見えてきた。
様々な形をした低い木造住宅が立ち並ぶ、美しい街並みだった。
驚いたことに、よく見ると家々の灯りは、みな同じ縦長の長方形の門灯だった。
さらに驚いたのは、形こそ違うが、全ての家が同じ木材から出来ているらしいということだ。
不自然に統一されている。
そのことに気がついた途端、急に恐ろしくなった。
どこかへ逃げなければ。
だが、どこへ行けばいいというのだ。
どうしようもない気持ちで胸が張り裂けそうになった、その時、目が覚めた。
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