無題1

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あたりは真っ暗だった。 空には雲一つ無いのだが、なぜか月が見えず、無数に輝く星々だけが頼りだった。 大地には草木が見当たらない。 暗いからだろうか? 普段は明るい時間にしか出歩かないのだが、その日は昼間と同じように自転車をこいでいた。 どこへ行くのかもわからず、目的もなくこいでいた。 今、何時だろう? しばらくすると、街の灯りが見えてきた。 様々な形をした低い木造住宅が立ち並ぶ、美しい街並みだった。 驚いたことに、よく見ると家々の灯りは、みな同じ縦長の長方形の門灯だった。 さらに驚いたのは、形こそ違うが、全ての家が同じ木材から出来ているらしいということだ。 不自然に統一されている。 そのことに気がついた途端、急に恐ろしくなった。 どこかへ逃げなければ。 だが、どこへ行けばいいというのだ。 どうしようもない気持ちで胸が張り裂けそうになった、その時、目が覚めた。
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