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記憶が戻る前の私は、確かにヒューに惹かれていた。これで私がまたヒューに振られたら、ヒューは完全に恋愛詐欺師だ。
容疑者リストの筆頭にいるはずのヒューは、私が死ぬ運命を変えようと、無理して別世界まで追ってきて私のそばにいてくれた。そのことを考えると、私は彼を疑うには無理があると思った。私の恋心を横に置いておいたとしても無理だ。
私に死んで欲しかったのなら、わざわざ別世界まで追ってくる必要は彼にはなかったのだから。
「王子と結婚ね……」
ルイーズはまだウキウキした表情だった。遅れて2歳のアンヌが乳母に抱かれてやってきた。
まず、国王の最年少の聖女になる。これが第一ステップだ。それからヒューと婚約する。これが第二ステップだ。ここから先が問題だ。私はヒューに婚約破棄されてすぐに死に至ったのだから。第二ステップのあと、ヒューに婚約破棄されずに結婚すれば、死に至らないとなるのだろうか。
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