33 ルネ伯爵令嬢マルグリッドの疑惑

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 まず聖女候補の20歳のカトリーヌだ。彼女は貧しい家の生まれだが、聖女になるかもしれないということで国から手当が出ていて、彼女の家はそれで随分助かったと聞く。貴族から褒賞をもらいながら、相談された領地の様々なことを解決していると聞いた。今一番私が親近感を抱く境遇はカトリーヌだ。彼女の気持ちは分かる。  しかし、私が聖女になって困った人物ナンバーワンは、もしかすると聖女候補かもしれず、カトリーヌはかなり困窮した可能性もある。  すでに大金持ちの公爵令嬢のなのに王子の婚約者となり、さらに聖女だなんて神様は不公平過ぎる。苦学生だった私の境遇からすると、この世界のヴァイオレットである私のステータスは圧倒的に変だ。  ――あぁ、だから若くして死ぬわけか……不公平過ぎるからバランスのためには早死にとなる?  ――ってそんなわけないでしょう。  だからと言って私が濡れ衣を着せられて裏切られて処刑されて良いわけがない。  ――でも、この不公平さに私自身が気づいていないことはもはや罪だ。  三笠富子の目線で見ると、ヴァイオレットの私はやはり聖女失格だった。カトリーヌの方が適していたりはしないだろうか。
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