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――聖女を一人と認定する必要はないわ。これは今回変えるポイントよ。
「聖女は何人認定されてもいいものです。私はあなたは聖女に相応しいと思います。あなたがも聖女に選ばれるようにするべきです」
私はカトリーヌにしっかりと囁いた。
――いい?私がこれから示す力によって、あなたが聖女に選ばれないということはないようにするわ。
私はカトリーヌの耳に私の言葉が残ってくれることを祈りながら囁いた。
私の目に運転手のサミュエルの姿が映った。御者の姿をして来賓の馬車をうまく整然と並べているようだ。この時点のサミュエルは未来に何が起きるか知らない。魔導師ジーニンが私のところにやってくるのはもっと後だ。もちろん、ヒューは宮殿にいて私の存在など知りもしない。
さて、親友のマルグリッドの動きに集中しよう。私が処刑された日、ヒューの隣にいたのは本当にマルグリッドだったのかもしれない。大学の中庭でヒューが動揺した顔を思い出した。
『確かにマルグリットは僕に近づいてきた。君の親友だったはずのルネ伯爵令嬢マルグリットが教えてくれたことがあって、僕が君を疑うきっかけになったのは確かだ』
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