127人が本棚に入れています
本棚に追加
背の低くて丸顔で、ぽっちゃりとした体型のマルグリッドは16歳の頃から変わらず、皆に愛される雰囲気でニコニコと食事を食べていた。実はルネ伯爵令嬢のマルグリッドは、この時点では私と親友ではない。この後起きた事件で私とマルグリッドは急接近する。
私は思い出したのだ。この後事件が起きて私の聖女となる力が皆に示されるが、そのきっかけを作ったのは、16歳のマルグリッドだった。私はそのことを2年もの間すっかり忘れていた。
ルネ伯爵令嬢のマルグリッドはプリンがもっと食べたくて、給仕に頼んでいた。私はその姿をスマホにこっそり撮った。
お肉をもっと食べたいらしく、席をたち、料理人たちが肉を焼いている火のそばに近づいた。私はそれもスマホに撮った。ここまでは別に自然だ。
ルネ伯爵令嬢のマルグリッドが急に振り返って私の名前を呼んだ。
「ヴァイオレット様!一緒に食べましょう!」
愛らしい頬を赤く染めて、マルグリッドはニコニコして私を呼んだ。私は動画撮影ボタンを押してそのままマルグリッドに近づいて行った。
「ほら!たくさん食べましょうよ!とっても美味しいですわ」
最初のコメントを投稿しよう!