34 国王陛下にご挨拶

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「ヴァイオレットの言う通りだった。明日、国王陛下に会いに宮殿に行くことになった。ヴァイオレットが言ってくれたおかげで、準備は全て整っている。明日の朝、早くに出発だ。少しでもいいから夕飯を食べて寝なさい」  祖父は白髪だらけの髪の毛をボサボサにしていた。いつもは綺麗に撫で付けているのに、想定外のことが起きて大変だったのだろう。  アンヌの誕生会に訪れていた人たちだけでなく、教会や色んな人がやってきて私が聖女だった場合についてアドバイスをしたのだろう。前回の騒ぎを私は知っているので、何も聞かなくても私は分かった。 「国王陛下の前で私の力を確認するだけよ。私なら大丈夫よ、お祖父様、お父様お母様。私の力は強いの。きっと聖女には選ばれる。でも、カトリーヌだってすごい力を持っているのよ。彼女も聖女になるべきだわ、お祖父様。彼女の手当をなくしてほしくないの。お願いよ。私一人が聖女に選ばれたら、他の聖女候補は困ったことになる。それは結果的に私に跳ね返るの。だから他の聖女候補も選ばれるように力を貸していただきたいの」  私は祖父のバリドン公爵にお願いした。
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