11 昼下がりのバイトの終わり

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 馬鹿らしいが、これが私のバイトなのだ。異世界転生した公爵令嬢のふりをする。本当に馬鹿らしいが、これで時給1200円だ。アルバイト時間はファーストフード店からも支払われるし、彼らからも支払われる。彼らの条件は、異世界転生した公爵令嬢が生活のためにファースドフード店でバイトを強いられる設定も込みだった。  やたらややこしいのは、流行りの異世界転生というものの特徴らしいが、私はそこはどうでもいい。お金さえ支払うならば。ただ、R12指定は受けてもらった。バイトはバイトでも、R12指定だ!なぜならば時給1200円なのだから。高ければR18なのかというと決してそんなことはない。全てにおいて、私はR12指定のバイトしかする気はない。  ボロボロの靴は私物だ。  彼らはそういうところがいたって気に入ったらしい。何もしなくても、公爵令嬢が生活のためにボロボロになって慣れないファースドフード店のバイトをしている体を私が体現しているように見えたらしい。パサパサの髪。これも気に入られた。元は美しい髪があれよあれよという間に下界の生活を余儀なくされて傷んでしまった設定をじでいけるから、らしい。
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