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サンル・デ・カルマラ王立修道院に着くと、サミュエルに手伝ってもらって私は胡椒の大袋とコリアンダーの大袋とナツメグと砂糖とサフランの中袋を運んだ。この時代、金や銀より価値の高い香辛料だ。これを使って前回の人生ではしなかった事をするのだ。
修道院との取引だ。良くはないかもしれないが、背に腹はかえられない。死に戻った私には必要なものがある。
「これはこれは、バリドン公爵令嬢!」
穏やかな笑みを浮かべた白髪の王立修道院長が現れた。魔導師ジーニンも既に到着していた。私の聖女としての鍛錬に魔導師ジーニンも立ち会うのだ。この国の聖女になるのだから。
「こちらは贈り物ですわ。これからお世話になりますから、バリドン公爵家からの差し入れでございます。こちらが胡椒、そしてコリアンダー、サフラン、ナツメグ、砂糖でございます」
私の言葉に年老いた王立修道院長は目を見張った。
「な、なんと!?」
私はうなずきつつ、「ステータスオープン」と唱えた。
私の頭上に数百のスキルが出現して、王立修道院長は驚きの表情を浮かべて後ずさった。
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