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一つ分かったことがある。私はヒューがとても好きだということだ。同時に、やり直しても、また失敗するかもしれないという恐怖を感じていた。
ならば、今目の前にいる彼に気持ちを伝えて関係を先にめようと決めた。20歳の富子としても、18歳のヴァイオレットとしても、ヒュー以外に最愛の人はいなかった。
22歳のヒューに再会した後に今のヒューに会うと、余計に愛しさが増した。彼に触れたくて彼に抱きしめてもらいたくてたまらなかった。
これはズタボロにされた自分の記憶を上書きしたいだけかもしれないし、私の死後にマルグリッドがヒューに近づいたと知って、私がそのことで嫉妬にかられているからかもしれない。
「過去のヒュー王子はどうだった?」
ヒューは私に何気なく過去の自分のことを聞いていた。少しナーバスになっているようだ。
「ヒューは過去でも爆イケだった」
私は正直に答えた。
「何だ、それは」
ヒューは戸惑った表情をしたが、少し嬉しそうに頬を赤らめた。
ヒューは私にシャワーを使っていいよと案内してくれた。豪華な作りの浴室だった。タオルの場所を教えてもらった。着替え用にヒューの大きなTシャツを用意してもらった。
私は自分の気持ちを伝える必要がある。心臓はドキドキが止まらず、今にも死んでしまいそうなほど高鳴っている。
本当に良いのかわからない。
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