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私はジゼル。
私の本当の父はいない。物心ついた頃からずっとだ。寒い冬に生まれた。私は私生児だという。母は貧しいお針子だった。だから、助かったのが奇跡だと母はよく言っていた。部屋を温める薪もない中で私は母から出る少しの乳で私は生き延びたという。
だが、人生は変わる。10歳で私の貧しい生活が一転した。
母が村にたまたまやってきた裕福な商人に見そめられて再婚したのだ。裕福な商人の館のあった大きな都に引き取られた。
カール大帝の住む都はとても華やかで繁栄していた。貧しい村で育った私は毎日胸が躍るようだった。何もかもが新鮮で輝いて見えた。私は新しい父にとても可愛がってもらえた。父の力添えですぐに修道院寄宿学校に入ることができた。そこで一応まともな教育を受けることができたのだ。この点は私の後の人生を大きく変えることになる。
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