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「君はこれから大帝の愛人だ。子爵には言っておく」
私が初めて受け入れた男性自身はカール大帝だ。私はそれからカール大帝を愛した。夫は私に優しかったが、時々寂しそうな表情を見せたが、カール大帝に女性を見る目を褒められて、少し得意そうでもあった。
◆◆◆
最近、カール大帝はお加減が悪いようだ。私を抱く回数も減った。私は相変わらずカール大帝のお気に入りで、宮中でも確かな発言力を得た。愛人は決して日陰の存在ではない。夫も子爵から取り立てられて伯爵になった。
今日はご機嫌で私を情熱的に抱いたカール大帝だが、妃と離婚すべきか悩まれていた。世継ぎの件だ。カール大帝は私との間にも子はできない。
だが、状況は待ったなしのようだ。
「妃と離婚しようと思う。聖女を妻にするかもしれないが、ジゼル、君を愛しているのは変わらないから」
そう抱きしめて囁かれた。
――聖女って?どこの聖女?
私はこの国のどこに聖女がいたか、考え込み始めた。
大帝の決断は、良くも悪くも人の生死を左右するものも多い。一体どこの国の聖女が連れて来られるのか。
私は呆然としながら考え込んでいた。
――聖女は承諾するかしら?
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