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私は完全に公爵令嬢のお高く止まった物言いでジーニンに問いただした。ジーニンは言葉に詰まった。
「お救いすることができなくて、大変申し訳ございません!」
魔導師ジーニンの紫のマントが小刻みに揺れた。顔を下に向けて泣いているのあろう。
「この映像を見たとき、ヒューは何と言ったの?」
純斗はメガネをしっかりとずり上げながら私に聞いた。彼の目は真っ直ぐに私に顔を見つめている。
「確かマルグリッドは『わざとに見える』と言ったわ」
純斗はうなずいた。
「ショックを受けた様子は?」
「そういえばそんな様子はなかったわ。ジーニンは憤っていたけれど、ヒューはどちらかというと冷静だったわ」
私は幸せで周りが何もかもバラ色に見えていた。ヒューの行動を振り返って少し不安を感じた。
「他には、ヒュー自身はマルグリッドの兄とアルフレッドが仲が良いのは知っていたけれど、奇妙な偶然だという点は私とジーニンの意見に同意見だったと思うわ。私はマルグリッドの兄のポールとアルフレッドが仲が良いのは知らなかったわ」
そこで、私たちの会話にジーニンが割って入ってきた。
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