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今日の大学の講義は朝からだった。私たちは今、大学の構内にいた。純斗がこれから私たちに合流する。魔導師ジーニンはいつものフードコートで待っているはずだ。
爽やかな青色が特徴のブルーサルビアがあちこちに咲いている中、純斗が私たちに向かって歩いてくるのが目に入った。ちりめん状のピンクや白のサルスベリの花が鮮やかに咲く木陰で私たちは合流した。
軽く昼食をとって、その後16歳の終わり頃のヴァイオレットに戻るのだ。
青空を見上げると、入道雲が見えた。夏休みもきっとバイト三昧だろう。でも、私の心はかつてないほど明るかった。お金が手に入って必要な支払いができて、この生活をかろうじて続けることができそうだということが明確になり、最高の気分だった。春の煌めきも夏の煌めきもいっぺんに私に押し寄せてきたかのようで、青春の煌めきもいっぺんに押し寄せてきたかのようだった。
純斗は私の顔を見つめて、一瞬見惚れたような表情をしたかのように思った。でも、気のせいだ。私の気分が最高だから、私の感覚が変なのだ。
「大学を続けられるの!」
私は純斗の腕を取り、フードコートまで走った。夏のセミの声が聞こえる中、暗い道に明かりが差し込んだかのように、私は晴れ晴れとした気分だった。
フードコートで魔導師ジーニンは私たちに異世界転生アルゴリズムを発動した。私のスマホはその瞬間を記憶した。私と純斗が目を瞑っている間、私のスマホの動画はその瞬間を連写で記録し続けた。私が目を瞑りながら、カメラアプリのボタンを推したのだ。
◆◆◆
目を開けた。とても静かだ。
ヴァイオレットの部屋だ。また戻ってきた。ベッドから起き上がって、素早く鏡を確認した。やはり16歳の頃のヴァイオレットのようだ。窓から差し込む日差しは朝の日差しだのようだ。間もなく侍女のアデルが私を起こしにやってくるだろう。
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