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「マルグリッドも喜びますわ。あの子に同年齢のお友達がいませんので、ヴァイオレットさまが同じ年齢と聞いて私たちも仲良くしていただいたらと思っていましたの。それにしても先日は大変申し訳ございませんでした。もう傷の方は大丈夫ですの?」
ルネ伯爵夫人は優しく私を気遣ってくれた。
「この通りですわ。なんともありませんので、お気遣いなく。マルグリッド嬢はいますか?」
私はにっこりして、ツルツルの肌の手足を見せて夫人と伯爵を安心させた。
「いますわよ?今、侍女が呼びに行っていますから、すぐに参りますわ」
「あら、こちらから押しかけておいて申し訳ないですわ。マルグリッド嬢のところまで案内してくださると嬉しいですわ」
ルネ伯爵が目配せをして、ホールに控えていた侍女がサッと歩み出て「どうぞこちらへ」と案内を始めてくれた。
私とジョセフは恭しく伯爵と伯爵夫人に挨拶をして、侍女の後ろについて歩き始めた。マルグリッドは庭園の方にいるようだ。
「えいっ!」
「そうではございませぬ」
「一体、どうなのよっ!」
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