46 ルネ伯爵邸でのスマッシュ

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 ジョセフはそのフライパンを素早く手にした。  次に飛んできた矢をジョセフはフライパンを振り回して、テニスの要領で弾き飛ばした。  パンッ!  パンッ!  パンッ! 「うまっ!」  私は思わず手を叩いてジョセフを称えた。 「高校時代にテニスとバドミントンで国体に出ているんだ。インターハイね。特技なんだよ」  ジョセフはそう言いながら、軽快に猛スピードで飛んでくる矢を交わしている。  どちらかというと、バドミントンの競技をこなしているようにも見える。命懸けだが。  おりゃっ!  時々奇妙な掛け声をあげて、ジョセフはスマッシュを連発していた。  ――もしかして、卓球もやっていた?  私の心の声を聞いたかのようにジョセフは言った。 「卓球もね。命懸けのこんな時に役立つとはね!」  彼は冷静に次々と矢を打ち返してかわした。  どうやら矢が尽きたようだ。私とジョセフは顔を見合わせて、マルグリッドのところに走った。さあて、どうやって懲らしめよう。
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