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散乱した矢の状況をスマホで素早く写真を撮って、私とジョセフは矢が飛んできた方向に走るようにして向かい始めた。ジョセフは用心深く鉄製フライパンを握りしめている。
「Lvl4281の軌道解析力を使いますか?」
「使います」
私は矢の発射位置が放物線状に描かれて伯爵家の物置小屋の2階に到達するのを見た。私たちはそこに向かって走った。ちょうど物置小屋から使用人らしき男性が飛び出してくるところだった。
「おぉ、ちょうど良かった。君、こちらに来て」
ジョセフが言うと、私とジョセフを振り返った使用人は真っ青になって走って逃げようとした。
そうはさせないっ!
私もジョセフもダッシュした。
「Lvl512の擬力を使いますか?」
「使います」
「チーターに擬態してチーターの跳躍力を利用しています。つまり、高速で走れます」
私はもう突進して使用人の背中に体当たりした。
うぎゃっ!
使用人が奇妙な叫び声をあげて地面に倒れ、私はチーターの姿で前足でギリギリと使用人の背中を踏みつけた。爪が食い込むだろう。
痛いっ!痛いっ!
使用人の男性は悲鳴をあげた。
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