47 さようなら、マルグリッド

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「Lvl擬態512の擬態とLvl1561の拘束力とLvl14328の思考解析力を使いますか?」 「全て使います」  私は頭の中で言った。  そこにルネ伯爵と伯爵夫人が転がるように走ってやってきた。2人とも真っ青で心臓発作でも起こしそうだ。 「うちの使用人が告白しました。大変申し訳ございませんっ!」  2人の後ろから若い男性が走ってきた。20代くらいで、どことなくマルグリッドに似ている。私は兄のポールだと推測した。    ――ちょうどよかった。みんなまとめて震え上がらせてあげましょう。私は聖女なんかじゃない。あいにくやられっぱなしで黙って放置できるような人間じゃないわ。  皆の後ろからジョセフが腕を捻りあげるようにして、弓を放った男を引きずってくる。男が逃げようとすると、鉄製フライパンで頭を軽くこずいていた。  何があっても私たちは殺人はしない。
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