47 さようなら、マルグリッド

9/10
前へ
/415ページ
次へ
「マルグリッド嬢は私の妹であるバリドン公爵令嬢アンヌの2歳の誕生日で、私に火傷を負わせようとして侍女を使いました。今日は、私を弓で射る殺人を行い、私が不慮の事故で死んだことにすることを企みました。その使用人から聞くとよいですわ。私は彼女が16歳であろうと、これは立派な殺人未遂だと思います。私が気をつけなければ、殺人が成立してしまっていました。私はこれを決して許しません。今後、二度と彼女がこのようなことができないようしたいと思います。ルネ伯爵と伯爵夫人、よろしいですね?」  私は真っ青で震えている伯爵と伯爵夫人に聞いた。二人ともほんの数時間で一気に歳を取ってしまったようだ。げっそりやつれている。 「はい、二度とそのようなことが無いようにします。しっかりと娘を監督して、罰して……」  私は遮って最後まで言わせなかった。少々、気が短くなっていて大変申し訳ない。 「そうですわ。罰を与えませんと。彼女が今後二度と悪いことを考えられないようにしましたわ」  私は身を翻して颯爽と歩いて帰ろうとした。
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

132人が本棚に入れています
本棚に追加