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ボルディ商社はちゃんと繁盛しているようだった。ダイヤモンド鉱山で採れたダイヤモンドも、諸外国から仕入れた絹も、香辛料もちゃんと彼らの商社を介しているようだった。私は自分が死ぬ直前、この商社が実に堅実で手堅く商売を広げていたのを知っている。彼らは信用できる。国益を損なわないように我が国の資源を守ることもちゃんと考えることができる商人たちで構成されている。
私は砂糖とカカオとバニラとコーヒー豆を注文して、ジョセフと帰路についた。
「チョコレートでも作る気なの?」
ジョセフは聞いてきた。
「そうね。こっちでも欲しい時があるでしょう?」
「まあね」
私たちの間に数分無言が続いた。
「さっきの私がにぶい話だけれど、どこがどうと指摘してくれないと分からないのだけれど」
私は揺れる馬車の中でジョセフを見た。
「あっちに帰ったら」
それだけそっけなく言うと、ジョセフは黙り込んでまた外を見始めた。今回はアルフレッド王子までは会えなかったけれど、マルグリッドの動きは封じ込めたので私たちは満足していた。次の戻りは18歳まで飛ぶはずだ。
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