50 純斗Side エリオットSide

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 仕事で忙しくなってからはなかなか彼女のバイト先には行けなくなったが。ドラマの撮影中も、何気ない拍子に彼女のことを考えている自分に気づいた。しかし、俺が仕事で忙しくしている間に、彼女はあっという間に奇妙なバイトの雇い主に惹かれ始めた。確かにとんでもなく魅力的な男だということは分かる。でも、ヒューという名の彼の何かが、俺を不安にさせた。信じられないほど美男子で高身長で仕草も洗練されていて、紳士的だ。それなのに彼女のそばにバイトの雇い主として彼がいると俺はとても不安になった。  認めよう、単なる嫉妬もあるだろう。  何より、彼女が取られたのは悔しかった。でも、彼女が幸せならと自分を納得させようとした。しかし、無性に彼女を守りたかった。だから、考察会にも積極的に参加したし、彼女が聖女だというのも無条件に受け入れた。  俺は一緒に彼女の過去の人生に戻ってみて、信じ難いほど楽しかった。そもそも、あの世界のことを非常によく理解している自分に驚いた。夢のように楽しい時間だった。しかし、衝撃的なことが起きた。ジョセフから純斗に戻る瞬間、多くの記憶が俺の頭の中に蘇った。
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