54 再会と喪失 ヴァイオレットSide

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 私はエリオットに大きな声で伝えた。エリオットはうなずいて、馬車道を渡ってこようとした。が、突然猛烈なスピードで馬車が走ってきた。レキュール辺境伯エリオットまっしぐらに猛突進してくる。ジョセフが叫んだ。 「ヴァイオレット!時を止めて!」 『Lvl349の時を停止するスキルを使いますか?』  ジョセフが叫ぶと、私の頭の中で瞬時に声が鳴り響いた。 「使います!」  時がピタッと止まった。エリオットが馬車を引く馬の蹴り上げた前足の下に入った瞬間に時が止まり、ジョセフの動きも止まった。私は馬車のドアを開けて、動きを止めているエリオットの腕を引っ張って馬車の中に引き入れようとしたが、次の攻撃がすぐにやってきた。矢のようなスピードで炎の弾丸のようなものがすぐそこまで飛んできた。 『Lvl421のスライディング力を使いますか?』 「使います!」  私はエリオットの腕をつかんだまま、そのままサミュエルが御者をする馬車の真下を高速スライディングで潜り抜け、間一髪で炎の弾丸を交わした。そのまま反対側の馬車のドアを開けて、馬車の中にエリオットを連れて雪崩れ込んだ。 『Lvl1万56のバリアのスキルを使いますか?』
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