54 再会と喪失 ヴァイオレットSide

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 私のいきなりの質問にジョセフは動揺した様子で、「お嬢様、その質問はなんでしょうか」と聞き返してきた。 「アパートはヴィラ・ヒルデガルドで、最近地球が滅亡しそうになったのは隕石が地球に衝突しそうになったから。でも一巻の終わりかというところで君が地球を救った。そしてうちの大学で一番厳しいフラ語の教授は大塚教授だと思う」  私が聞いてもいないことも答えたのは、くしゃくしゃのブロンドヘアの奥から煌めく碧い瞳がイタズラっぽく輝くレキュール辺境伯エリオットだ。  私はじっとエリオットの顔を見つめた。  ジョセフからエリオットに入れ替わったの!? 「純斗……!?」 「いかにも。君のことが好きだと告白した純斗だ」  私はその言葉に青くなって次にカッと身体中が熱くなった。告白されたことを思い出したから。 「な……なんで!?」  私は叫んで思わず馬車の中で立ちあがろうとして、馬車の天井に思いきり頭をぶつけた。
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