13 絶対絶命

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「こちらが普段君がシャーロットおばさまと呼んでいたゼルニエ侯爵夫人だ。そしてその夫のゼルニエ侯爵、レロックス男爵、その子息のスチュアート、レロックス男爵夫人、モートン伯爵、モートン伯爵夫人、モートン伯爵令嬢のキャサリン、アリス姉妹。そして君の家の執事のハリー、君の家庭教師のパンティエーヴルさん、君と一番親しかった侍女のアデル、そしてこちらが君の親友と言われていたルネ伯爵令嬢のマルグリット……」  それにしても中世ヨーロッパの貴族は大変だ。社交界のつきあいは盛んでバリドン公爵令嬢はやたらと顔が広い。私は大学の講義で一緒のクラスメイトですら名前はおぼつかない。  ヒューがiPadを私に向けてプレゼンをするように持ち、次から次にスワイプして登場人物の説明をしていた。私たちはアパートの目の前の駐車場にいた。ヒューが停めた車の助従席に私は座っていて、ヒューの説明は時々私と彼らの関係を補足してくれながら、続いていた。今日、ヒューが運転してきた車はポルシェだ。
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