13 絶対絶命

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 高速道路に少し乗り、レストランの駐車場にヒューは車を停めた停まった。私はヒューにエスコートされて素敵なレストランの中に入った。  少しワインを飲み、二人で美味しいご飯を食べた。ヒューはどう見ても美男子で振る舞いが素敵だ。  会話はヴァイオレット公爵令嬢と婚約者ヒューとしての会話で、先ほどiPadで解説された登場人物に関する話題が多かった。国中の領地を回る際、旅先の宿で暖炉の炎を見ながら二人で時々話し合ったこと、馬で時々は出かけたこと、川下りをしたこと、色んな話をヒューはしてくれた。  彼の話を聞きながら私は思った。ヴァイオレット公爵令嬢は本気でヒューのことを愛していただろう。それなのにヒューは嘘の情報を信じてヴァイオレットに婚約破棄を言い渡した。  彼に信じてもらえなくて、彼に婚約破棄を一方的に言い渡されたヴァイオレットはこの世の終わりと感じるほど悲しかっただろう。  ――私はバイトなのに、のめり込みすぎているかもしれない。危険だ。本気でヒューに恋をしそうだ。  私は頭を振った。酔った状態だったので余計にクラクラした。
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