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「結婚してくれる?聖女様。今夜の舞踏会で発表したいんだ。父と母には帰ったらすぐに報告したい。どうか僕の切なる願いを了承してくれないだろうか」
私は喜びで胸がいっぱいになり、舞い上がった。ふわふわとした温かい気持ちが私の胸を満たして、私はこの上ない幸せに包まれた。どこまでも続く灰色の大地はヴァイオレットの幸せの瞬間の記憶だ。
「舞踏会で発表するの?」
私は照れ隠しにそれだけ言った。
「結婚の申込に対する返事は承諾したということかな?ヴァイオレット聖女様」
ヒューは私の目をのぞき込んだ。彼の瞳が期待で輝いている。私は彼の唇に口付けをして、もっと抱きついた。彼の心臓の音が聞こえるぐらいに。
彼の服の胸のレースフリルは、素晴らしくゴージャスだ。細かい刺繍がされている。
――王子と結婚するの?
「もちろんよ!あなたと結婚できるなんて信じられないほど幸せよ」
私は結婚を承諾した。
私は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。ヒューは私の返事を聞くとまた私を抱き上げてくるくると回り始めた。私たちは笑いあった。かけがえのない幸せの瞬間だ。
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