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保育園の年長組の結菜が泣きながら地球が滅亡するなんて嫌だと言いながら、私に抱きついて頼んだ。
「富ちゃん、今朝みたいに魔法で地球を救ってちょうだい」
結菜は今朝私が魔法で彼女を救ったと勘違いをしていた。ただ、泣いている幼い子を泣き止ませるには仕方ないと私は頷いて、空に向かって右手の人差し指を向けた。
何気なく私が息を大きく吸い込んだ時、静かな声が耳奥でした。
『Lvl27790の聖女のスキルを使いますか?』
「使いますっ!」
私は気合を入れるために声を出して宣言した。その瞬間、光線が私の指から飛び出して空の彼方に向かった。
「おぉ!」
「なんだ、今のは!」
世界中が、日本中がざわついた。もっともざわついたのは古いアパート前だった。
「おぉ、隕石が地球に衝突する軌道から外れたと言っていますよ!」
「さっきの光線は隕石を撃退するためのものだったのでしょうか」
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