127人が本棚に入れています
本棚に追加
――公爵令嬢の記憶は本物で、今私は地球を救った!?
――私は婚約破棄されて断罪されて処刑された公爵令嬢で聖女なの?
ありがち異性回転性設定過ぎて、私までおかしくなったのだろうか。
――いやいやそれはないって!
私の名前はヴァイオレット・ジョージアナ・エリザベス・バルドン。ヴァイオレットはバルドン公爵の長女で、策に陥れられ、冤罪で18歳で処刑された。
これは私自身の話のようだ。さっき、確かに光の光線が出て空に向かって何かをしたのははっきりと自覚がある。昨日鳥になって空を飛んだ自覚もはっきりある。コカコーラの噴水を一瞬で止めた自覚がある。時々頭の中に蘇る断片的な記憶の破片はヴァイオレット自身の記憶のようだ。
なんで、本当に、私はヴァイオレットなのか。
そんなバカなと震える私の目に、アパートの前に咲いている、大家さんが育てているブルーリバーとピンクリバーのスーパートレニア カタリーナの涼やかな花の向こうで涙ぐんでいるサミュエルと魔導師ジーニンの姿が見えた。
最初のコメントを投稿しよう!