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公爵令嬢で聖女でありながら処刑されるという運命を変えることができるのだろうか。私の記憶は多分、本当だと私の心のどこかが教えてくれている。
夜風に揺れる風鈴の音が優しく心に響いた。もしかすると、やり直せたら、あの失恋の激しい痛みを回避できるのだろうか。
どこまでも続く灰色の空と大地を思い出した。辺境の地、レキュール伯爵領だ。ヒューのキスも。しかし、その夜は、ヒューが婚約破棄を言い渡した瞬間のことはどうしても思い出せなかった。
賞金は欲しいモノをもらう、そう純斗が決めている声がしたが、私はよく聞いていなかった。
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