1 私の追放

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1 私の追放

「お前がこの家に居る意味なんてもう何も無いんだマニュレット! 今すぐ出ていけ!」  そう言って父は玄関の扉を指しました。  その父の背後では、義母と異母妹がにやにやと笑っています。 「わかりました。では」  そう言った途端、頬を平手打ちされました。 「何だその言い方は。屋根のある家で今まで住まわせてくださりありがとうございました、飢えずに食べさせてもらってありがとうございました、だろうが!」  私はそのまま何も言わず、扉の方へと歩いて行きました。  ねえ、私はこの家だけは好きだったのよ。  私が何もかも知り尽くした貴方だけはね。
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